【ポケモン Beautiful World】第十四話 ヒュウ Part2

…小さい頃、ただ元気で粋がっているだけで、何もできなかった。
じいちゃんが、妹が、家族が大事にしていたチョロネコ。
…奪われちまった。
だからこそ、強くならなくちゃ。
成長しなくちゃ。
ホワイトみたいに全身全力でできないだろうけど、俺は俺なりに、
何にも負けないように、
強くなくっちゃ。





…控室には、先ほどまでの温かい談笑の雰囲気は消え、冷たく冷え切った雰囲気が流れていた…。

チェレン「…ヒュウ。」

チェレンは、そう呟くことが精いっぱいだった。

『審・判員「それでは、決勝戦を始めます!決勝戦出場者は、メインステージに集まってください!」』

ヒュウ「…じゃあ俺、行ってくるから。」

そんなアナウンスが流れると、ヒュウはひとり立ち上がりドアに向かった。
…そんなヒュウを見て、チェレンは思わず立ち上がり、声を上げた。

チェレン「…ヒュウ!」

ヒュウ「…なんですか?」

こちらをみるヒュウの目は、何か決意みたいなものと、冷たさが含まれていた。
…いつもの温かいヒュウからは想像できないような。

チェレン「…変なことを聞いてすまない。…決勝戦、頑張ってくれ。」

ヒュウ「はい。頑張ります。」

そういい、ヒュウは部屋を後にした。




『審・判員「さぁ第一コーナーから現れたのは、若くしてかなりの実力を持っているトレーナー、ヒオウギシティ出身、チェレンだぁー!」』

スタジアムに登場したヒュウは、周りを見渡した。
そこには自分に向けられた熱い声援が送られていた。

???「頑張れよ!坊主!」

???「さっきのバトル、凄かったぞ!今度もしっかりやれよ!」


その声に応えるように、ヒュウは呼応した。

ヒュウ「俺は今からやるぜぇー!」

『審・判員「そして、対するコーナーから現れるのは、素性は一切不明だが、これまた反則的な強さを持つトレーナー、その名も、『アクロマ』だぁー!」』

…しかし、そんなヒュウの対戦相手に出てきたのは、特徴的な髪形、白い白衣。
間違いない。
一度会ったら忘れないあの男だ。

ヒュウ「なに!?あのコズミック野郎か!?」

向こう側からゆっくりとした足取りでスタジアムに上がってきたアクロマは、こちらを見ると驚きを隠せない表情になり、そして高笑いした!

アクロマ「…これは意外!てっきり私は、『ホワイト』さんのほうが勝ち残ると思っていましたが…これは、ますますあなたの強さに、あなたのことに興味がわいてきました!」

ヒュウ「…なんでお前がここにいるかさっぱりわからねぇが、お前を全力でぶっ倒す!」

そういいヒュウはいつものポーズをして、ボールを相手に突き出した。

アクロマ「ええ見せてください!あなたの強さを!そしてあなたの戦いを!それが私に、強さを教えてくれる!」

そうして、二人のポケモンバトルが始まった…。




ホワイト「…ごめんなさい。チェレンさん。気分を悪くさせてしまって…。」

ホワイトはお茶を入れ直し、チェレンの前に差し出した。

チェレン「…いや、いいんだ。…しかし、驚いたよ。
彼が、何かに恨みを持って、それを活力として今まで頑張ってきたなんて…。」

そう呟きながら、お茶を一口すすった。

ホワイト「…普段のヒュウさんからは全く想像できないでしょう?
だけど…ヒュウさんは本気です。
…僕と一緒に旅に出たのは、本当にタイミングがあっていて、それまでずっと妹の心のケアと、最初に一緒に旅に出るポケモンを考えて準備していたみたいです。」

チェレン「…差し支えなければ、彼の過去にプラズマ団と何があったか、聞いてもいいかい?」

ホワイトは少し考える体勢をとり、そしてヒュウのほうを向いた。

ホワイト「…さっき止めなかったんで、話しても大丈夫だと思うので話します。」

そういい、ホワイトも自分のお茶を一口すすり、口を潤した後つづけた。

ホワイト「…ヒュウさんに妹がいるのは、ご存知ですか?」

チェレン「…ああ、知っているよ。ヒオウギシティでは、ちょくちょくジムにも遊びに来る、明るくて少し引っ込み思案だけど、優しいいい子だね。」

ホワイト「…あの子には、昔ポケモンがいたんです。妹は本当に小さかったんですけど、チェレンのおじいさんが妹のために用意した、ヒュウさんの言葉を借りるなら、世界でたった一匹しかいない、『チョロネコ』が。」

チェレン「…。」

チェレンもそれは知っていた。それとなくそんな話をあの町で聞いていたから。
だけど、改めてこう詳しく話されると、少し辛く感じた。

ホワイト「妹は、それは小さいながらにチョロネコといつでも一緒でした。兄であったチェレンさんも、いつも心配そうに、だけど楽しそうにそれを見守っていたんです。
…あのチョロネコは、チェレンさんと妹さんにとって、もはや家族同然の存在だったんです。」

チェレン「…。」

そこまで少し楽しそうに話していたホワイトが、そこから少し厳しい表情になった。

ホワイト「…ですが、5年前になりますかね。もう少し前かもしれません。
…彼らがやってきたんです。」

チェレン「…プラズマ団かい。」

ホワイト「…はい。彼らは町中のポケモンを奪っていったんです。
『ポケモンを解放せよ!』とか言って、町中から多くのポケモンを奪っていきました。
…そしてヒュウさんの妹さんの『チョロネコ』も…。」

チェレン「…。」

その時期は、イッシュ中でプラズマ団がチョロネコを盗む事件が発生した時だ。
…そのため、野生のチョロネコ達ですら、奪われないように半ば盗賊団みたいなのを組んで対抗したとも言われている。

ホワイト「…僕と同じように、ヒュウさんもその時の自分を恨んでいます。
ポケモンを助けることができなかった自分に、妹を悲しませてしまった自分に…。
僕ほど過激じゃないですが、ヒュウさんも努力を続けて、今も続けています。
…たとえそれが、少し曲がった考えだとしても、僕はそれを否定したくないですし、止めようとは思いません。
…それが、今のヒュウさんですから…。」

いつも明るく、そして相手を茶化して場を和ますお調子者の急成長の裏には、
そんな意志があった。
…とてもやるせない気分になった。
つまりあの子は、ホワイトと同じで、昔からの後悔を糧にここまで自分を磨いてきたというのか!?

チェレン「…君たちは、後悔から強くなったということか…。」

ホワイト「はい…。僕はそう思います。…僕の後悔と、ヒュウさんの後悔は、似ていますけど、全く別なんですよね。…故に僕は、ヒュウさんがライバルだと思うんです。」

そういうホワイトは、少し悲しいが、決意のある目でチェレンを見つめた。
その眼には、確かにヒュウと同じ輝きがあった。

チェレン「…君たちは、僕が想像するより全然、ライバルだったんだね…。すまなかった。」

そこまで話すと、ホワイトは少し笑って目戦を伏せた。

ホワイト「いえ、僕たちは、ちょっと普通と違うと思うんです…、
!?
チェレンさん!ヒュウさんの対戦相手!」

そういったホワイトの指さす先には、決勝の映像がモニターに映っていて、そこにはヒュウとアクロマがお互いにポケモンを出し合って戦っている姿があった!

チェレン「…あれはもしかして、君たちが前言った『頭がコズミック』な人かい?」

ホワイト「そうです!かなり危険な人物だと思われる人です!」

チェレン「行こう!ホワイト君!行かないとまずい!」

そういい、チェレンは立ち上がり、それに呼応するようにホワイトも立ち上がった!

ホワイト「はい!」



…Part3へ続く
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テーマ : ポケットモンスターブラック2・ホワイト2
ジャンル : ゲーム

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しばせんし

Author:しばせんし
↑の犬の飼い主が柴戦士
いーぬは喜びゆきかけまわりー



Hyper-和食見習い小僧の20代が、遊戯王、ポケモン、その他生活の雑談を上げていくブログです。(^O^)/
何か変なところがありましたら、いつでも書いてください。迷惑コメントは容赦なくスパム

現在遊戯王でよく使うデッキは、
・スクラップ
・EMオッドアイズ魔術師
・サイフレーム
・ブラマジ
               です(^O^)/


どうしたらスクラップの良さを残し戦えるかを考えています。
スカイプデュエルも、ツイッターか、コメントで相談してもらえればできる予定。

ポケモンは、とある人の動画をきっかけにやり始めました=^_^=
ウルガモスと、カメックスを
対戦でこよなく愛して使ってます。
いつか対戦実況動画とかとってみたいなとおもっていたら取れました。
ニコニコ対戦実況動画
ダブルバトルもできるよ!!…弱いけど
だけど第六世代になってから、色々と時間が足らない様子。

再現料理も、やりたい年頃。
こう見えても現役調理師なので、
料理スキルはあるはず。
何かしてほしい再現料理がありましたら、コメントお願いします<(_ _)>

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