【ポケモン Beautiful World】第二十話 誰かの心の鐘は鳴る Part6

その時、階段から一人の男性が上がってきた。
さっきの声は、その男性から放たれたものだった。

????「僕の知っているフウロさんは、そんなに泣き虫じゃなかったはずだよ?」

そういいその男性はこちらに歩いてきた。
フウロはその顔をみると、とても驚いて言った。

フウロ「嘘…ブラック?ブラックなの!?
どこ行っていたの!?
コルルをほったらかして!『私の次に大事なもの』って言っていたバッジまでコルルに持たせて!」


ブラックと言われたその男性はばつの悪そうな顔を上げた。

????「…ごめん。」

フウロ「ごめんじゃないでしょ!みんな心配していたんだよ!
あなたのお母さんも、アイリスちゃんも、アデクさんも、ジャガさんもチェレン君もベルちゃんもアララギ博士も!みんながみんな!あなたがいなくなって心配したんだよ!」


そう言われて男性は少し間をあけた後言った。

????「…ごめん。僕はまたここからすぐ行かなきゃいけないんだ。
だから、本当にちょっとだけ、時間を作ってフウロさんだけに会いに来たんだ。
…どうしても一目見ておきたくて。」

フウロ「私なんていいんだよ!他にも行くところいっぱいあるでしょ!」

その言葉のあと、目線をタワーオブ・ヘブンの鐘に移した。

????「…ここで言った僕の最初の言葉、覚えている?」

フウロ「覚えているよ!…一度たりとも、忘れるわけないでしょう…。」

????「あの気持ちは、今も変わらないから。
…それだけ、伝えに来た。」

それを聞くと、フウロさんは黙って涙を拭いた。

フウロ「…うん…。」

????「…ここに、手紙を置いていくから、あとで読んでね。
じゃあ、僕はもう行かなくちゃ。
ありがとう、僕のフウロさん…。」

そういい男性は足元に手紙を置いて、去って行った。

フウロ「うん…元気でね…。」




…暫くそのままでいただろうか。
男性が立ち去った後、フウロさんが立ち上がるまで、誰も動かずにいた。
フウロさんは立ち上がり、おかれた手紙を手に取った。

フウロ「…ごめんね。
こんなに泣いちゃっているところ見せちゃって。
…コルルは、このコアルヒーは私が預かっちゃっていいの?」

ホワイト「はい、元々の持ち主であるフウロさんが、今は持っていてください。」

コアルヒー「クパァ!」

フウロ「今までありがとうって、この子がホワイト君に言ってるよ!
私からも、ありがとうね!
それじゃあ、ジムで君たちの挑戦待っているから、絶対来てよね!」

メイ「はい!」

ホワイト「勿論です!」

二人の返事を聞いた後、フウロさんは少し笑い言った。

フウロ「…凄いね。あのゾロアは。
君のポケモンなの?」

ホワイト「…いえ、元はNさんのポケモンです。」

フウロ「…なら納得した。この手紙は、間違いなくブラックの手紙だったよ。
あの子は、初めから私にこうするつもりだったみたいだね。
…私が落ち着いたら、君たちに、色々話して協力してもらうから、よろしくね!」

…フウロさんは、わかっていたんだ。
僕のゾロアがしたこの芝居を。
どこからわかったのかはわからないけど、あのブラックが本物のブラックさんじゃなく、ゾロアだって。
…だけどそれでも受け入れた。
その芝居に込められた、思いを感じて。

ホワイト「はい!」

フウロ「フフフ、
後ね、この『タワーオブヘブン』の鐘の音色は、トレーナーの心をうつすって言われているんだ。
…今の君たちが一緒に鳴らしたら、どんな音色が出るのかね?」

ホワイト「え!」
  メイ「え!」

フウロ「じゃあ!またジムで!
本当にいろいろありがとう!
私、元気出たから、また頑張れるよ!ありがとう!」

そういいフウロさんは敬礼をして、笑顔でその場を去って行った。
…そしてしばらくすると、先ほど化けていたゾロアが帰って駆け寄ってきた。

ゾロア『…うまくいったぞな?』

ホワイト「いや、気づいていたよ。フウロさんは。」

その言葉に、ゾロアは愕然とした!

ゾロア『そんな…おいらの計画が…失敗したぞ!
…この手紙をあの人に渡す良いやり方を、ずっと考えていたのに…!』

そんな愕然としているゾロアを覗き込む感じでメイは語りかけた。

メイ「…本当に君は喋って、人の姿に変身することができるんだね。凄いね!」

ゾロア『ほ、褒めたって何も出ないぞ!』

ホワイト「…ゾロア。
君は最初から『コルル』がフウロさんの手持ちだと知っていたのかい?」

ゾロア『勿論、知っていたぞ。…だけど、おいら自身が、ブラックの姿に化けてこの手紙を渡したかったから、言わなかったぞ…。すまなかったとは…思っているぞ…。』

そういいゾロアは申し訳なさそうに頭を下げた。

ホワイト「いいんだよ、ゾロア。」

メイ「結局みんなうまくいったから大丈夫だよ!」

そういいホワイトとメイはゾロアをなで繰り回した。
もうこれでもかってくらいに。

ゾロア『お、お前たち!おいらをあやす位だったら、とっととここにある鐘でも鳴らすがいいぞ!』

そういいゾロアはメイとホワイトから離れ、自らボールに戻った。
そしてそこには、メイとホワイトだけが残された。

ホワイト「う、うん。」

メイ「そ、そうだね…。」

…二人はゆっくりと歩き、鐘の前に立った。
そして一緒に鐘に手を添え、押した。

…とても良い、空に、心に澄み渡る。
そんな音色が、響き渡った。
自然と二人とも目を閉じ、その音色に聞き入っていた。

ホワイト「…いい音…。」

メイ「…私、忘れないよ。この音色…。」

ホワイト「僕も…。」

その時、空から白いものが二人を優しく包み込んだ。
まるでその二人を祝福するかのように、周りを彩った。

メイ「…あ、雪…。」

この日は、
この雪は、
この鐘の音は、
二人にとって忘れらないものになった。



…第二十話 誰かの心の鐘は鳴る END
スポンサーサイト

テーマ : ポケットモンスターブラック2・ホワイト2
ジャンル : ゲーム

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

しばせんし

Author:しばせんし
↑の犬の飼い主が柴戦士
いーぬは喜びゆきかけまわりー



Hyper-和食見習い小僧の20代が、遊戯王、ポケモン、その他生活の雑談を上げていくブログです。(^O^)/
何か変なところがありましたら、いつでも書いてください。迷惑コメントは容赦なくスパム

現在遊戯王でよく使うデッキは、
・スクラップ
・EMオッドアイズ魔術師
・サイフレーム
・ブラマジ
               です(^O^)/


どうしたらスクラップの良さを残し戦えるかを考えています。
スカイプデュエルも、ツイッターか、コメントで相談してもらえればできる予定。

ポケモンは、とある人の動画をきっかけにやり始めました=^_^=
ウルガモスと、カメックスを
対戦でこよなく愛して使ってます。
いつか対戦実況動画とかとってみたいなとおもっていたら取れました。
ニコニコ対戦実況動画
ダブルバトルもできるよ!!…弱いけど
だけど第六世代になってから、色々と時間が足らない様子。

再現料理も、やりたい年頃。
こう見えても現役調理師なので、
料理スキルはあるはず。
何かしてほしい再現料理がありましたら、コメントお願いします<(_ _)>

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR