【遊戯王ZEXAL CN5】激怒のシャーク!咲き立ちはだかる雪月花美神! Part7 【第二話】

看護師「あ、バーナァー先生!
もう休みはいいんですか?」

凌牙は、あのデュエルの後すぐに璃緒が眠る病院に訪れた。
そこにはあの笑顔がステキな看護師がいた。
…しかし何よりも驚いたことは、その看護師が、バーナァーの事を『先生』といい、
バーナァーは身なりを整え白衣をまとっていたことだ。

バーナァー「いや、ちょっとしたらまた抜け出すよ、その時にはお土産持ってくるね!
所で、璃緒ちゃんの容体はどうだい?」

看護師「先生の治療のおかげで、どんどん良くなっていますよ!
あ、凌牙君!今日はバーナァー先生と一緒なのね!珍しい!」

凌牙「…あ、いえ。」

看護師「…ふふ。
また極東エリアのデュエルチャンピオンさんがお花おいていきましたよ!
では、あとはごゆっくり!」


そういい、看護師さんはその場を去って行った。
そして二人はとある個室に入った。その個室には、眠っている璃緒ちゃんがいた。
バーナァーは璃緒ちゃんの近くにある椅子に腰かけた。凌牙はその後ろで立っていた。

バーナァー「ごめんね、凌牙君。実はただ病室を移しただけだったんだ。」

凌牙「…まさか、お前が璃緒の面倒を見ている医者だったなんてな…。」

バーナァー「…璃緒ちゃんを見ている医者は、わたしだけじゃないからね…。
だけど、わたしじゃなければ、できない治療もあった。」

凌牙「…それが、そのNo.の力か…。」

そこまで話すと、バーナァーはNo.『雪月花美神』を取り出した。

バーナァー「…そうだよ。わたしのNo.には、人を治療する力がある。
…もちろん、普通の治療も璃緒ちゃんにはしたよ。だけど、それだけじゃどうしても足りなかった…。
おそらく、璃緒ちゃんが受けた傷が、何かしらのカードの力によるものだからだ。
だからこそ、この『雪月花美神』は璃緒ちゃんの傷を治すのに役立った。」

そこまで話すと、凌牙もバーナァーの隣に立ち眠っている璃緒を見た。
その顔は、まさに妹を思う兄そのものだった。

凌牙「…璃緒…。」

バーナァーは立ち上がり、凌牙の肩に優しく手を置いた。

バーナァー「…安心してくれ。凌牙君。
璃緒ちゃんは、じきに良くなる。これは一人の医者として患者の親族に言える言葉だ。」

凌牙「…実際に、あとどれくらいで目を覚ますんだ…。」

凌牙は振り返らず、静かに聞いた。
バーナァーは表情を少ししかめながら話した。

バーナァー「…医学的には、いつ目を覚ましてもおかしくないんだ…。
だが、なぜか目を覚まさない。半年という言葉には、私の願望と医者としての診察結果が半分入っている…。」

凌牙「そんな…。」

凌牙の顔は強がってはいるが、影が入った。
その様子を見たバーナァーは顔を引き締め、肩に乗せた手に力を込め言った。

バーナァー「…だからこそ、君が声をかけてあげてくれ。
できるだけ多く。
傍にいてあげてくれ。
大切な存在が傍にいてあげることが、患者には何よりの力になるんだ…。」

凌牙「…。」

凌牙は何も返事をしなかった。
それが、何よりの返事になっていた。
その様子にバーナァーは肩に乗せた手を外し、病室の窓のほうに行き、外を見ながら語りだした。

バーナァー「…そうだ、つまらない話を一つしよう。凌牙君。
…昔ある男がいた。
その男は、何でもできた。お金も才能も、自分の願望を叶えるだけの力を持ち合わせていた。
できないことは何もないと思っていた。
そんな男にも、好きな人がいた。
自分より年が上で、桜色の髪がとても美しい人だった。
男は、その人と幸せに暮らすのが夢だった。」

凌牙「…その夢は、叶ったのか?」

凌牙は、なんとなく、聞き返した。

バーナァー「…男の夢はかなうことはなかった…。
その人は、病気で亡くなった…。」

バーナァーは声色を変えずそう言った。
…だがそれは必死にそうしようとしてしているのが、聞いていてわかった。

凌牙「…。」

バーナァー「…そこからだ。
その男が医学について真剣に学びだしたのは。
何かに取りつかれたように、全てを投げ打って、
まるでそうすることで、その人を救うことができるかのように…。」

凌牙「…それはあり得ない。人は一度死んだら、蘇らない…。」

凌牙は、亡くなった両親をふと思い浮かべながら、そう言った。

バーナァー「…。
そう、その通りだ。だからこそ、男はそのことに気づいてはいた。
…だが、男自身の心に残った後悔そのものが、結果そうさせるしかなかった。
…そうまでして、結局男の手に入れたのは、一枚のカードだけだった。
男の未練の象徴の一枚のカード…。」

バーナァーは、消して凌牙のほうを向かず、そこまで語り、再び自分のもつNo.を取り出し見た。
凌牙にとって、その背中姿は見るに堪えないものがあった。

凌牙「…バーナァー…さん。」

そこでバーナァーさんは振り返った。
その顔は万円の笑みが浮かんでいた。その表情のまま、バーナァーは凌牙に近寄り両肩に手を置いて言った。

バーナァー「…もう自分と同じ後悔、未練は起こしたくない。
…だからこそ、君はこれから色んな試練を乗り越え、強い男にならなくちゃいけない。
君ならそれができる!
頑張ってくれ。凌牙君。」

凌牙「…わかりました。」

バーナァー「…九十九遊馬君。
彼がNo.を集めているのは、知っている。
だけど、このNo.は渡せない。
もう少し璃緒ちゃんを治療するのに使わせてくれ。」

…この人は、自分を強くするために、きっと今日戦ってくれたんだ。
そう思えた。
手段こそ意味が分からないものだったが、この人なりにやった結果だったんだろう。
この人の気持ちは、自分には痛いほどわかったからこそ、共感できるものがあった。
辛い過去を持っていながら、周りには笑顔を振りまく。
それができない自分だからこそ、この人の言葉は心にしみた。

凌牙「…璃緒を、お願いします。」

そう頼む凌牙の顔を見て、バーナァーは笑顔で言った。

バーナァー「…医者はね、病気や怪我を治すわけじゃないんだ。
…ただ、その人の治癒力を高めてあげる状態にするだけ。
…それに一番有効なのは、親しい人の呼びかけだよ。凌牙君。
勿論わたしは全力を尽くすけどね。
だからこそ…璃緒ちゃんを、お願いします。」

そう、バーナァーはあえて自分にかけられた言葉をそのまま凌牙に返した。
凌牙はバーナァーの真剣な眼を見て、答えた。

凌牙「…はい。」

そこまで話し終えると、バーナァーは凌牙の肩から手を離し、突然に白衣を脱ぎだして言った。

バーナァー「よし!!
…さぁて、それじゃあ行こうか!」

凌牙「…一体どこへ?」

凌牙の言葉に笑顔でバーナァーは応えた。

バーナァー「決まってるじゃないか!
みんなでご飯を食べにだよ!」




小夜「むつこおねーちゃん、ゆうしょーおめでとー!」

小鳥「おめでとう!!六子ちゃん!」

遊馬「おめでとう!六子!」

みんな「「「「おめでとう!!!」」」」

浜辺のデュエル大会は、六子の優勝で幕を閉じた。
皆で海の家のお座敷の一角を借りて、そこでささやかな優勝記念会が開かれていた!

六子「ありがとうございます!!みなさん!私にはもうデュエルディスクありますから、これは小夜ちゃんにプレゼントいたしますわ!」

そういい、六子は黄金のデュエルディスクを小夜ちゃんに渡した。
小夜ちゃんはそれを嬉しそうに受け取った!

小夜「わぁい!ありがとうむつこおねーちゃん!
さいきんゆーまやことりおねーちゃん、むつこおねーちゃん、みんなからいろいろもらえるから、ほんとううれしいな!」

そう言いながら、とても嬉しそうに笑った。
その笑顔は皆に伝染し、とても明るい雰囲気が出来上がった。

鉄男「参加賞は、カードだったな。…おれもブリキの大公があそこでやられなきゃなぁ…。」

遊馬「いいじゃねぇか!楽しかったんだからさ!
それに、いい思い出もできたし!」

キャット「キャット!とっても楽しかったにゃ!」

遊馬「やっぱり六子はつえーよ!とてもデュエルスフィンクスじゃ勝てねーよ!」

アストラル『…それをいうなら、『デュエルタクティクス』だ。スフィンクスではない。』

小鳥「もう、またアストラルに言われてぇ。」

遊馬「し、仕方ねぇだろ!!誰だって間違いはあるんだから!」

委員長「トドのつまり遊馬君は、」

徳之助「馬鹿だウラ。」

みんな「「「「はっはっはっはっは!!」」」」

遊馬「…ちぇ…。」

小夜「…ゆーま、バカなの?」

遊馬「馬鹿にもなぁ!色んなバカがいるんだ!バカじゃない馬鹿だって!」

六子はそこで笑うのをやめ、ふと考え、遊馬に話しかけた。

六子「…。遊馬。」

遊馬「ん?なんだ六子?」

六子「…どうして遊馬には、こんな素敵なお友達がいっぱいいるのですか?」

友達を作ることが苦手だった自分には、遊馬を中心にこんなに良い友達がたくさんいるのが、凄く思えた。
ギャンブルセンスを磨くことよりも、こんな素敵な空間を自然と作れる、小夜ちゃんや遊馬が不思議だった。
そんな六子の心中などお構いなしに、遊馬は笑顔で答えた。

遊馬「決まってんだろ!デュエルをすれば、みんな仲間で、友達だからさ!」

…これなんだ。遊馬にとって、決闘とはそういうものなんだ。
誰へだてなくそうやって声をかけ、笑っていることが、今の遊馬の友達を作り上げたんだ。
…考えてみれば、小夜ちゃんも同じだ。誰へだてなく、笑顔で楽しく接してくれる。
…私は、こんな簡単なことに気が付いていなかったんだ…。
遊馬や小夜ちゃんを見ていると、自分にもそんな当たり前のことが、できるような気がした。

六子「…遊馬…。」

小鳥「さぁ!お弁当よ!」

キャット「キャット!私も今回は作ってきたんだから!」

鉄男「他にも注文した料理もあるぜ!」

そういいテーブルの上には、所狭しとご馳走が並んだ!

小夜「わぁ!デュエルめしだデュエルめしだ!
むっこおねーちゃんもつくったんだよねぇ!!」

六子「え!?ええ!そうですわよ小夜ちゃん。
遊馬や小夜ちゃんに、たくさん食べてもらってほしくて、また作りましたわ!
えーと、飲み物飲み物…。」

そういい六子は自分のお重をテーブルの上に広げ、とりあえず自分の所に出ていたオレンジジュースを口に含んだ。
…そんな時、海の家の入口から、二人の男が現れた。

バーナァー「いやー皆さん、楽しんでもらえたようで何よりで!」

凌牙「…。」

六子「ブゥ!
…え!!?ええええ!?」

なぜここにバーナァーさんが!?
今は任務とか、そういうものとか、関係ないはずでは!?
慌てて飲み物を少しはいてしまった。

小夜「あ!バーナァーもきてくれたの!?やったー!うれしい!」

バーナァー「大会主催者として、頑張った君たちに差し入れを持ってきたんだ!
わたしの好きな、『ミートソーススパゲッティパン』と、『焼きそばパン』その他もろもろだ!
…ほらほら凌牙君も、そんなところに隠れていないでこっちにおいで!」

そういい、バーナァーは差し入れを机の上に広げ六子と小夜の間に割って座った。
そして未だ入り口で入ってこようとしないシャークに一声かけた。

凌牙「…っち、なんで俺がこんなところに…。」

遊馬「あ!おいシャーク!お前も来ていたのかよ!こっちに来て一緒に食べようぜ!
すっげぇご馳走だぜ!」

凌牙「…。
ん?」

遊馬の一声で、言ってもいいかと思って考えていると、いつの間にか自分の元に、小さな女子がいることに気が付いた。

小夜「ねぇ!おにいちゃんもいっしょにたべよう!みんなでたべるとすごくおいしいよ!」

その女の子は、純粋な笑顔で凌牙にそう言った。

凌牙「…ああ。」

小夜「…おにいちゃん、なんだか小夜の剣裂お兄さんと、ちょっとにているかおをしているね?」

凌牙「…小夜っていうのか?お前は。」

凌牙はしゃがみ、そのこと目線を合わせた。

小夜「うん!おにちゃんは、シャークおにーちゃん?」

凌牙「…ああ、みんなからそういわれている。
…小夜には兄さんがいるのか?」

小夜「うん!いるよ!」

この子も、小夜ちゃんにも兄がいる…。
ふと、そんなことを考えた後、なぜかこんなことを質問していた。

凌牙「…小夜は兄さんが俺みたいな顔をしているって言っていたが、そんな兄さんは嫌いか?」

そんな質問に、小夜ちゃんはすぐに笑顔で答えた。

小夜「ううん!嫌いじゃないよ!大好きだよ!
…けど、笑っている兄さんのほうが、もっと好きかな?」

…笑っている、兄か…。
俺ももっと、あいつが喜んでくれるなら、笑った兄になってもいいかもしれない。
そう思った。

凌牙「…そうか、ありがとうな。」

小夜「いいえ!シャークおにーちゃんも、わらってね!ぜったいいいかおになるから!」

そう、飛び切りの笑顔で笑いながら、小夜ちゃんは凌牙に言った。
そんな顔を見て少し鼻で笑った後、
凌牙は、笑った。

凌牙「…ああ。」



…第二話 激怒のシャーク!咲き立ちはだかる雪月花美神! 完…
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しばせんし

Author:しばせんし
↑の犬の飼い主が柴戦士
いーぬは喜びゆきかけまわりー



Hyper-和食見習い小僧の20代が、遊戯王、ポケモン、その他生活の雑談を上げていくブログです。(^O^)/
何か変なところがありましたら、いつでも書いてください。迷惑コメントは容赦なくスパム

現在遊戯王でよく使うデッキは、
・スクラップ
・EMオッドアイズ魔術師
・サイフレーム
・ブラマジ
               です(^O^)/


どうしたらスクラップの良さを残し戦えるかを考えています。
スカイプデュエルも、ツイッターか、コメントで相談してもらえればできる予定。

ポケモンは、とある人の動画をきっかけにやり始めました=^_^=
ウルガモスと、カメックスを
対戦でこよなく愛して使ってます。
いつか対戦実況動画とかとってみたいなとおもっていたら取れました。
ニコニコ対戦実況動画
ダブルバトルもできるよ!!…弱いけど
だけど第六世代になってから、色々と時間が足らない様子。

再現料理も、やりたい年頃。
こう見えても現役調理師なので、
料理スキルはあるはず。
何かしてほしい再現料理がありましたら、コメントお願いします<(_ _)>

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